カツ丼で町おこし!下仁田かつ丼の会の想いとは

下仁田かつ丼の会・食亭エイト|市川進さん / October 03, 2017 / くらす /

「下仁田かつ丼」とは、卵もキャベツも使わず和風しょうゆダレのみで味付けしたシンプルなかつ丼です。大正後期にはすでに下仁田町における人気メニューのひとつだったと言われており、下仁田かつ丼の会はそんな下仁田かつ丼を愛する人たちで結成されました。下仁田かつ丼の会 代表 市川さんのかつ丼への想い、そして下仁田町への想いを伺いました。

「下仁田かつ丼の会」の始まりと活動内容

-よろしくお願いいたします。まずは下仁田かつ丼の会ができたきっかけについて教えてください。

いちばん最初のきっかけは「群馬デスティネーションキャンペーン」(以下、群馬DC)でした。それがね、平成23年かな。下仁田町ではほとんどの飲食店でかつ丼を出しているから、群馬DCではそれを「下仁田かつ丼」という形にして宣伝したんです。群馬DCが終わったあと、下仁田町で飲食店をやっている知り合いの間で、『これで終わったんじゃもったいない』という話になり集まって会を作ろうとなったんです。そうして始まったのが下仁田かつ丼の会です。それで、まず会ができたときに『下仁田かつ丼はこうあるべきだ』っていう決まりを作って、それを参加の条件としたんですよ。その一番大事な決まりは「和風しょうゆダレを使う」っていうことなんですけど。

-下仁田かつ丼の会ができる前から、下仁田かつ丼というものはあったんですか?

あった。だけど、もともと各店舗で作っていたかつ丼に、正式名として「下仁田かつ丼」に統一したのは群馬DCがきっかけです。それで町外に向けて発信するようになったんですよ。ネーミングは確かに7、8年の歴史かもしれないけど、実際はもっと前からあるっていうような感じですね。だから味はみんな微妙に違っています。甘辛のところとかちょっと薄いところとか、肉が厚かったり薄かったり。その店舗の特徴が出ていますね。

-群馬DCを機に名前が統一されたんですね。下仁田かつ丼の会はどのような活動をされているんですか?

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毎年4月~11月くらいに、下仁田かつ丼を出している加盟店8店舗でスタンプラリーをやっています。3店舗回ってもらうと、下仁田ねぎボールペンとかメンチカツとか9種類の景品の中からひとつプレゼントして、全部回ってもらうと下仁田ねぎを差し上げています。あとは10月にやってる前橋まつりなんかにも下仁田かつ丼を出しています。

-景品については加盟店の皆さんが協賛という形で提供しているんですか?

助け合いってことで、ほとんどタダでもらってくる。最初のほうは協賛店はなかったんだけど、だんだん色んなところが協力してくれるようになって。 担当は別にいるんだけど、そういう人がいろんなとこに声かけてさ。ありがたいことに、下仁田町をみんなで盛り上げようっていう気持ちがあるね。この会は、みんなが集まって協議しないと前に進まないから月に一回集まって会議や飲み会を開いています。

会が継続していく秘訣は

-本業以外で月一回集まるのも大変ですよね。定期的にちゃんと集まれるっていうのはすごいですね。

基本的には月一回で、毎回2,000円ずつ会費を集めています。そのお金は運転資金というか、かつ丼ののぼりとかスタンプラリーに必要な台紙とか、あとは商品代に充てています。議題性がないときもあるんですけど、イベントが近づいてくるとやっぱり若干の打ち合わせは必要になってくる。だから町からの要請があるとか、そういう場合はみんなに集まってもらって、ちょっとでもいいから説明を聞いてもらっています。

-トラブルとまではいかなくても、何か困ることは起こりますか?

ある。例えばスタンプラリーの台紙のデザインでも、『これはあの店のかつ丼だろう』みたいに文句を言う人がいますね。 いろんな人が混ざり合っているような状態だから。私は今年で65歳になるんだけど、やっぱりその中に上下関係っていうのがあるじゃない。そこでうまく動いて、なんとか調整しています。食亭エイトは下仁田かつ丼の会で代表にはなっているけれども、いろんな調整が必要です。何かあるときは一応飲食店組合の組合長に相談することもありますね。

かつ丼が生む連帯感

-下仁田町には飲食店がとても多いですよね。メニューのバリエーションの豊富さが印象的でした。

これでも減ってるんだけどね。だけど下仁田町の場合はね、フランス料理だったらフランス料理、イタリア料理だったらイタリア料理だけみたいな専門店では成り立たない。地域性もあるけど、だいたい何でも屋。フランス料理もできるしイタリア料理もできるし、和食だってできますよ、みたいなお店の多さが下仁田町の特徴かも知れないね。

-同じかつ丼を売るので一見、下仁田かつ丼の会の加盟店は商売敵に見えますが、どのようにうまく進めていますか??

「下仁田町商工会」という組合があって、その飲み会のやつも多少はあるんですよ。その他にも、下仁田飲食店組合とかその中にも飲食店青年部とかがあって、色んなところで関わりが持てますね。 たしかに競合といえば競合だし、かつ丼は各店共通ではあるんですけど、その店ごとにメインが違うから。うちの場合はかつ丼やラーメンの他に焼肉もやってるし。そういう意味で区別はできていますね。それぞれの店の特徴があるなかでも「下仁田かつ丼」ていう共通点で集まってやってるっていう感じですね。 加盟店は旅館もあるし割烹もあるけれど、かつ丼で繋がっているっていうのは特殊かも知れないね。イタリア料理のお店でも、かつ丼出していれば仲間なんだよ。

下仁田町でチャレンジすることについて

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-これから下仁田町で新しく何かをやりたいという人に向けて、アドバイスや期待することはありますか?

下仁田町で起業するなら飲食店の場合はみんな協力すると思います。業種は何であれ、排除するってことはしないと思うよ。あとは下仁田町ってお祭りが多いから、それで繋がるね。飲食店に限らず、下仁田町で起業したいような人は、お祭り関係でみんなと繋がっておくと良いよ。 あとは商工会青年部に入ることになるからそこで仲間ができるはずだよ。

-下仁田町の外から来た人に期待することはありますか?

やっぱり下仁田町に住んでないから発想自体は港の考え方じゃなくて、都会的な考えで思うことを発信してくれればいいな。別の業種から飲食を始めた人なんかも、いろんな発想を持っているんだよ。いろんな意見を言ってくれるから、ありがたいよね。勉強にもなりますから。都会に1年でも2年でも住んでいる人が来ると、やっぱり違うよ。見聞が広くなりますね。 だから外から来た人が下仁田町で何かやりたいとなれば、下仁田町は協力する。お祭りとか商工会青年部とかもあるけど、それ以外でも下仁田町には色んな繋がりがあると思います。

-ありがとうございました!

食亭エイト・下仁田かつ丼の会
〒370-2601 群馬県甘楽郡下仁田町大字下仁田366-2
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