東京より下仁田! 地域おこし協力隊の想いとは……?

一番・地域起こし協力隊|沼田香輝さん / February 12, 2018 / くらす /

今回は地域おこし協力隊の沼田香輝さんにインタビューをしました。東京から下仁田町へ移住した理由とは? 25歳の若さ溢れる沼田さんの下仁田町への情熱をご紹介します。

東京での経験から下仁田町へ

―よろしくお願いいたします。まず、地域おこし協力隊として、下仁田町を選ばれた経緯を教えてください。

地域おこし協力隊に入るときに、飲食店で従業員募集をしていたんです。もともと飲食店を運営していたので、興味を持ち応募しました。『このお店は町の宝の一つだから』と役場に紹介してもらったのが最初です。「一番」さんともうひとつありましたが、役場との話し合いの結果「一番」さんにしました。それがきっかけですね。

―もともとはどのような仕事をされていたのでしょうか?

はい、最初は旅行会社の添乗員でした。

-そうなんですね!

はい、そのあと、池袋のテーマパークで餃子を販売していました。池袋のテーマパークの方から、うちでやらないか? という誘いをいただきまして。

―「一番」がなぜマッチングしたのでしょうか?

旅行会社で地方都市を見ていて、人とのつながりがある温かいところに興味を持ちました。最初は見学のつもりだったんですが、いつのまにか町の一員に、という感じです。来てみると多くの方々に良くされっぱなしです。お店の奥様とたがいに意見を言いあえるいい関係だからこそ、たまに喧嘩もしたり。でも奥様は、『若者はそういう考えなのね』と理解してくださるから、ありがたいですね。本当は奥様も言いたいこともあると思いますが……。一番で働いてもうすぐ3年目になります。下仁田町にとどまるかどうか悩んでいいたときも、店主のご夫婦がよくしてくださって。お二人のもとだから2年やってこれました。

―2年やっていて、100%はないと思うんですけど、お店の業務をどれくらいマスターできるのでしょうか?

自分でいっていいのかわかりませんが、80%くらいはできているのではないかと思っています。奥さんとご主人に本当に丁寧に教えてもらっているので。

奥さん:ついつい動いちゃうんだよね。

いつも、ありがたいことです。

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下仁田町の印象

―3年間やってきて、下仁田町全体の飲食店への印象はありますか?

下仁田町の「あるある」かもしれないのですが、最初は「よそ者」なんです。関わっていくうちに仲良くなると、あちこちで声をかけていただくようになりましたね。本当にありがたいことです。

―やはり最初のハードルはあるんですね。

そういうのは全くない、といえばウソになりますね。居酒屋の「きあい」さんとは親友のように仲良くさせていただいています。

―下仁田町に移住するときは抵抗はなかったですか?

妻がアメリカだろうがどこだろうが私はついていくだけだから、と言ってくれる人なので、どこにいっても、妻がいるからいいかという気持ちでいたので、行動できたというのはあります。

―「一番」さんのおすすメニューはなんですか?

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いやこれが何食べてもおいしいんですよね。この店これはおいしいけど、これはイマイチ、ってあるじゃないですか? でも、「一番」の場合は、何食べても本当においしいんです。

奥さん:あまりよいしょしなくてもいいよ

お客さんにも『なにがおいしいですか?』とよく聞かれるのですが、何食べてもおいしいので、正直困ってしまいます。でもタンメンが一番出てますね。

―地域おこし協力隊で下仁田町に移住することになって、沼田さんの地元のお友達やご家族からリアクションはありましたか?

ありがたいとことに、みんな遊びに来てくれるんです。両親も別荘みたいの思っているみたいで。家族も友達も、1回下仁田町に来て『下仁田って、いいわー』という感想をもってくれて、2回も3回も遊びに来てくれるんです。

―下仁田町では若者たちが関われる活動はあるのでしょうか?

下仁田町って結構忙しいんですよ。8月くらいからずっと月に2回くらいイベントがある、行事だらけの町でして。田舎でのんびりという感じではなく、田舎で活躍したい、という人にはいいですね。逆に、ひきこもってしまうと、関わりがなくなってしまいますね。

下仁田町はとにかくイベントづくし

―他の方へのインタビューで聞いたのですが、こんにゃくが10月11月で忙しくなって、ねぎの方もかなり忙しいですし、イベントもたくさんありますよね。

そうなんです。イベントが盛りだくさんなんですよね。ほんとうに関わりを持とうとすれば無限に広がりますね。役場から『新しいイベントやりなよ』と言われるのですが、イベント自体かなりたくさんあります。一個一個、宣伝したらすごい力になりそうだなと思います。

―今年度かかわったイベントは?

夏祭りにはじまり、消防団の秋季点検があったり秋祭りがあったり、11月に下仁田ねぎ祭りがあったり、12月にイルミネーションがあったり、青年部で高崎のグルメグランプリに参加したり。2月は節分祭を町のあちこちで行ったり。この間はバイブレーションテーブルという大きな音楽イベントがあったり。全部参加してたら仕事なんて手がつかないくらいです。

かつての下仁田町、そしてこれからの下仁田町

―勝手なイメージですが、地域おこし協力隊は役場のお手伝いというニュアンスかと思っていましたが、飲食店で働くのは、役場との契約なんですよね。

役場の人も残したい味です。

奥さん:今となって考えてみると、こんなに大げさになるとは思わなかったです。役場がそういってくれるから、ありがたいことです。最後のご奉公だと思ってね。私たちもそろそろ引退だし。

―下仁田町の食文化はほんとうに宝ですよね。ちゃんとおいしいし。

奥さん:昔は材木やこんにゃくが有名だったんです。夜になるとぞろぞろ人がいたんですよね。10時、11時でもお店を閉められないくらい。そんな時代があったのよ。酔っ払いがその辺で喧嘩をしたり、煌びやかな時代があったんです。その当時の人はいい時代を過ごしたんじゃないですか。芸者さんがいたり、映画館があったり、ボーリング場もあったんですよ。

―私たちのイメージだと下仁田町の周辺だとは富岡市が中心だと思っていましたが、昔は下仁田町が盛んだったんですね。

奥さん:そういう時代だったんです。

―肩がぶつかるくらい人がいた、と聞いて。

奥さん:そうなんです。

―最後に、沼田さんは下仁田町でどういう存在になりたいですか?

はい、自分も妻も幼少の頃はあまり家族に恵まれなかったので、本当の意味で暖かい家庭をつくることが下仁田町ならできるのではないかと思っています。下仁田町で一番の、羨ましいほど楽しい家族になりたいです。それができれば嬉しいです。

―ありがとうございました!

一番
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