「人とのつながり」を生む商品づくりと町づくりへの想い

有限会社恵比寿屋|堀越健介さん / February 08, 2018 / はたらく /

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下仁田町に「熱い人」がいる。下仁田町の「恵比寿屋」を経営する堀越健介さんは東京でサラリーマンをしていたが、20年前に帰郷。生まれ育った町のために、人と人をつなげるため、日々奔走しています。堀越さんの下仁田町への想い、そして町の活性化についてお話しを聞きました。

堀越さんについて~恵比寿屋への危機感

―よろしくお願いします。ではまず恵比寿屋さんについて教えてください。

私は生まれも育ちも下仁田町です。東京でサラリーマンをしていましたが、長男として稼業を継ごうと思い、20年前くらいに下仁田町に帰ってきました。恵比寿屋はお米とお茶と灯油を三本柱に商いをしています。サラリーマン時代は明るいネオン街でにぎやかな町にいましたが、久しぶりに下仁田町をみて、ずいぶん静かになってしまったなと感じました。人口が減る中で、どこにでもあるものを売っているだけではスーパーに価格で負けてしまうと思い、町の地域資源を活用して付加価値のある商品。他にはない商品。人と人のつながりを生み出せる商品を作りたいと考えました。

人とのつながりを生むオリジナル商品の開発

―なるほど、オリジナル商品ですね。

はい、中之嶽神社に高さ20mの日本一大きな大黒様があるのですが、この地域資源を活用して商品づくりにチャレンジしました。大黒様の由来を調べてみると縁結びの神様だと分かりました。そこで”人と人をつなぐ”という意味から”受験生と志望校をつなげる”ということを考え、「合格祈願米」の販売を始めました。また金運の神様でもあることから「福茶・縁(えにし)茶」の販売も始めました。これらが東京から帰ってきたときの最初のチャレンジでした。オリジナル商品をつくることによって恵比寿屋として売るアイテムも増え、町の地域資源を有効に使うことによって町のPRにもなりますし、町の活性化にもつながると考えています。とにかく今もオンリーワンの商品づくりを目指しています。

そのあとに作ったのが、下仁田ねぎをを乾燥させて粉末にして混ぜ合わせた「下仁田ねぎ茶」です。当時は『なんだこれ!?』と言われるほど斬新なものでした。この商品は、1年を通して下仁田ねぎをPRすることが目的で、製造特許も出願し、現在でも販売しています。

七味唐辛子に下仁田ねぎの粉末を加えた八味唐辛子、下仁田ねぎボールペン、下仁田ねぎタオルなど毎年ひとつずつ商品を作り、年と共にオリジナル商品が増えています。過去には下仁田ねぎの一本漬けも作ったこともあります。太くておいしいねぎを一本丸ごとつけて真空パックにして販売していました。

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何事にもチャレンジ精神をもって行動

―堀越さんは東京のサラリーマン時代に商品開発をなさっていたんですか?

経験はまったくありませんでした。元は畑違いの仕事でしたが、地元のものを活かしたいという思いで、地元の方にご協力いただきながら、「これを作るためにどうしたらいいか」ということを考えて、パズルのように組み合わせていますね。いろいろつくることで町のPR、町の活性化に繋がればと思っています。また、”下仁田まちづくり委員会”にも所属していて、高崎商科大学と共同で「下仁田まちあるきマップ」を作りました。大学生と一緒に作ることによって、新しい発想も生まれいろいろな意見を聞くことができましたね。

―町を訪れる人にはこういうマップがあると助かりますね。

今後は通年で、町に人が流れるようになってくれるといいなと思っています。そのためには仕掛けが必要です。人が楽しめるスポットというものが大事ですね。神社やお寺があるのは当たり前で、町を歩いていると下仁田町ならではのユニークスポットがある、としたいですね。今は、まちあるきが観光のツールになっています。足を伸ばしてもらえるような仕掛けづくりを町中ですることによって回遊性が高まると思っています。何が良くて何が悪いということはありません。なんでもやってみる、ダメだったら違うことを考えればいい、何事にもチャレンジしてみたいという気持ちでまちづくり委員会に参加しています。

―まちづくりにはどういった想いがありますか?

私の今の役割は上の世代とのパイプ役ですね。想いは「いい町にしたい、町を活性化したい、元気にしたい」というのがきっかけです。下仁田愛があるから、商売を通して町を元気にしたい、というのがスタートのきっかけなので、できる時にできる人ができる事をする、手を出し合えば町はよくなると思います。

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これからの若者へのメッセージ

―堀越さんのような方がたくさんいらっしゃると町も元気になりますね。

いるんですよ。地元愛が強い人はたくさんいます。そして、これから町を活性化させるためには、もっと「若者」「ばか者」「よそ者」を増やすことが必要だと思います。「過去の例にとらわれずに前向きに行動できる、若者」「下仁田町のここっておもしろいぞって夢中になれる、ばか者」「下仁田町を少し別の角度から眺め、地元にある素晴らしさに光をあてることができる、よそ者」そんな「人とのつながり」役割や縁を大切にするのが下仁田町です。いま、町は若い人ならではの新しい視点を求めています。
やる気のある若い世代の方には、是非とも下仁田町にお越しいただきたいですね。

―ありがとうございました!

(有)恵比寿屋
〒370-2601 群馬県甘楽郡下仁田町下仁田386
TEL. 0274-82-3200